利島の椿Toshima Camellia

面積4.12平方キロメートルの小さな利島の中に、日本の固有種であるヤブツバキが自生しています。
品種の多い椿の中で、ヤブツバキはもっとも油に適しており、
古くは平安時代から使われていた歴史があります。

利島と椿

面積が小さく資源が限られた利島では、水資源も乏しく、稲作を始め農業に不向きで、米で年貢を納めることができず、様々な試行錯誤を繰り返したのち、椿栽培による椿油の生産に辿り着いたと考えられ、江戸時代以前から今日までに渡って椿油を生産しています。古くからの島民のたゆまぬ努力により、利島独特の椿の段々畑の形成や植栽と伐採が繰り返され、現在では島全体で20万本の椿があるといわれています。これは時代を超えて築かれた、世界でも類例のない貴重な文化遺産だと言えるのではないでしょうか。島の基幹産業にまで発展した椿産業は、全国でも有数の椿油生産量を誇っています。

椿と海椿の花

椿農家

椿農家の仕事は1年仕事です。晩秋から初春の間に花を咲かすヤブツバキは、初夏から秋にかけて油を充分に含めた実(種)になります。利島では完熟して落ちた実(種)を拾うため、実(種)が大きく成長する夏に下草を刈る作業を行い、綺麗な林床をつくります。椿の実はとても小さく、色も茶色のため、少しでも雑草が生えていると拾うときに大きな手間となるため、真夏の重労働でも惜しまず作業をおこないます。夏が終わり秋に入ると実(種)が完熟し、林床に落ちたものを椿農家がひとつひとつ丁寧に拾い上げます。この作業は重労働というより、根気のいる作業で、冬の終わる3月末頃まで続けられます。実(種)は、自宅の軒先などで乾燥させたのち、島内にある椿油製油センターへ持ち込み、様々な工程を経て、純度の高い利島産椿油となります。 このように椿農家は1年を通じて椿と向き合いながら生活をしています。また島の約80%を常緑樹である椿が覆っていることもあり、日本らしい四季を感じづらい一方で、「椿で四季を感じる」ことができるのも利島の大きな特徴です。 また椿林は段々畑になっていて、素晴らしい景観を形成しています。これは椿の実が雨などで流れ落ちないために工夫をした先人の知恵なのです。 自然と向き合いながら、様々な知恵を出し合い、工夫を施して紡い続けてきたのが、利島の椿産業なのです。

きっぱらいの様子実拾いの様子

椿油

利島の椿油は、ヤブツバキの種を100%使っており、椿実の収穫から搾油、商品梱包まで全てを島内で行っています。まさにメイド・イン利島の特産品です。椿油は、ヘアケア、フェイスケアが一般的ですが体の部位に限らず全身のスキンケアに使うことができます。また最近は、食用として使用される方が増えて来ています。江戸時代には上等な食用油として江戸町民にも愛されたそうです。オリーブオイルよりあっさりした風味ですので、サラダドレッシングのベースやパスタなどの料理にご活用ください。

椿油の抽出作業

椿油製品をお買い求めたい方は、
JA東京島しょ農業協同組合 利島店のホームページで購入することができますので、
お問い合わせください。